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東京高等裁判所 昭和25年(う)1127号 判決 1950年8月04日

被告人

逆井隆二

主文

本件控訴はいずれもこれを棄却する。

理由

弁護人一瀨房之助の控訴趣意第四点について。

記録によつて所論証人鈴木照男の証言を検すると検察官が所論被告人茂木長次郞に対する第一回並びに第二回供述調書及び関根保次郞の第三回供述調書を作成するに当つて予め同被告人等に対しこれから口授して作成する調書に間違つて居ることがあれば申立てる様につげ、同被告人等の申立に従つて其の都度供述を訂正して調書を作成した上、最後に其の調書中に相違していることがあるか否かと尋ねた上署名、押印を求めたことが明白である。従つて所論の様に右各供述調書を其の作成後各被告人に読聞かせなくても同被告人等の右各供述は任意になされたものと認めて差支えがない。爾余の所論事実があつたとしてもそれによつて右供述の任意性を否定することはできない。尚記録によると右各供述はいずれも特に信用すべき状況の下になされたものと認められるから所論各供述調書はいずれも証拠能力において欠くるところはない。原判決には所論採証上の違法は存せず論旨は理由がない。

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